日本データセンターコロケーション市場は、2023年から2032年までに38億米ドルから127億米ドルまでの収益増加が見込まれ、2024年から2032年の予測期間にかけて年平均成長率（CAGR）が 14.35％で成長すると予測されています。

データセンターコロケーションは、ネットワーク帯域幅、物理的スペース、およびその他のコンピューティングリソースを、確立されたデータセンターインフラ内でレンタルできるサービスです。これらのデータセンターには、バックアップ電源システム、ビルトインネットワーキングコンポーネント、情報プロトコル（IP）、冷却機構が装備されており、通常、ホールセールとリテールの両方の構成で利用できます。従来のデータセンターと比較して、コロケーションデータセンターは信頼性、拡張性、コスト効率、エンドユーザーへの近さ、技術者の必要性の減少を実現しています。

市場を牽引する要因

ビジネスにおける費用対効果と柔軟性が市場の成長を推進

企業がデータセンターコロケーションサービスに移行する傾向が強まっている主な理由の一つに、費用対効果と機能的柔軟性が挙げられます。自社内にデータセンターを構築および維持することは、企業にとって多額の資本支出であり、メンテナンス、インフラ、セキュリティ、エネルギー管理への多大な投資を必要とします。コロケーションサービスを利用することで、企業は資本支出を削減し、運用支出モデルに移行することができ、財務の柔軟性が高まります。

例えば、多くの多国籍企業が、日本での情報技術インフラコストを最適化しながら、高い信頼性とパフォーマンスを提供するためにコロケーションサービスを選択しています。コロケーションプロバイダーは、冷却、電力、セキュリティなど、施設の物理的インフラを管理する一方で、企業は自社の情報技術システムを制御し続けることができます。このような取り決めにより、組織は物理的なデータセンターの制約を受けることなく、自社の要件に応じて効率的に機能を拡張することが可能です。また、コロケーションサービスは、自社のデータセンターを管理する際に発生する可能性のあるパフォーマンスの問題やダウンタイムを回避することで、IT機能の信頼性と継続性を確保します。この柔軟性は、予算を超えずにIT能力を拡大しようとする中小企業（SME）にとって特に魅力的です。このような要因が、日本市場の成長を予測期間中に後押ししています。

市場の制約

データプライバシーとコンプライアンスへの懸念が市場の成長を阻害する可能性

データプライバシーとコンプライアンスは、日本のデータセンターコロケーション市場にとってもう一つの大きなチャレンジです。日本の個人情報保護法（APPI）をはじめとする厳格なデータ保護規制が施行されているため、企業はデータ管理や保管を第三者のコロケーションプロバイダーに委託する際、これらの規制を順守するプレッシャーが高まっています。

これらのプロバイダーが国内および国際的なデータ保護基準を遵守することを確実にするのは、特に医療、金融、政府分野のように機密データを扱う業界にとって課題となります。セキュリティの不備や侵害が発生した場合、規制上の罰金だけでなく、企業やコロケーションプロバイダーの評判も損なわれる可能性があります。その結果、企業は重要なデータをコロケーションサービスに委託することをためらう場合があり、特にデータセキュリティとコンプライアンスをコスト削減以上に優先する企業の間で、市場成長の障壁となっています。このような要因が、予測期間中に日本市場の成長を妨げています。

市場機会

クラウドサービスとデータストレージに対する需要の高まりが市場成長を推進

クラウドコンピューティングとデータストレージ要件の急激な拡大は、日本市場を牽引する主な要因の一つです。企業がクラウドベースのソリューションに移行するにつれ、柔軟で拡張性の高いデータストレージインフラへの需要が高まっています。コロケーションサービスは、費用対効果が高く、安全で、すぐに利用できるソリューションを提供できるため、物理的なデータセンターの管理に煩わされることなく、中核業務に集中したい企業にとって最適です。例えば、日本のクラウドコンピューティング市場は著しい成長を遂げており、マイクロソフト、AWS、グーグルといった大手企業が、需要の高まりに応えるべくプレゼンスを拡大しています。

さらに、企業がマルチクラウドやハイブリッドクラウド戦略を採用するにつれ、データセンターの電力、スペース、冷却能力に対する需要は増加し続けています。コロケーションプロバイダーは、カスタマイズ可能でスケーラブルなソリューションを提供することで、企業のダイナミックで多様な要件に対応し、こうした需要に応えることができます。遠隔医療、電子商取引、リモートワーク環境など、世界的なデジタル化へのシフトチェンジに伴い、日本ではデータストレージと処理能力に対する需要が急増しています。したがって、これらすべての要因が、予測期間中の日本市場の成長を後押ししています。

市場セグメンテーションの洞察

タイプ別

2023年、日本のデータセンターコロケーション市場は、小売コロケーションセグメントが収益面で優位を占めました。このセグメントの成長は、共有インフラを通じて柔軟でスケーラブルなソリューションを提供することで中小企業（SME）に対応し、さまざまな要件を持つ企業にとって費用対効果が高いことに起因しています。また、マネージドサポートやサービス、標準化されたパッケージが含まれるため、豊富なITリソースを持たない顧客にとってはデータセンター管理が簡素化され、中小企業は多額の設備投資を行うことなく高度な設備を利用できるため、ビジネスの成長と機能的な効率化が促進されます。そのため、これらすべての要因が、日本市場におけるこのセグメントの成長を後押ししています。

しかし、予測期間中にはホールセールコロケーションセグメントが市場を独占すると予想されています。この成長は、大規模な企業やサービスプロバイダーが広範なデータセンターリソースを必要としていることに起因しています。このセグメントは、特定の組織のニーズを満たすために、専用の電力、スペース、冷却設備を提供し、より高いカスタマイズの選択肢を提供します。ホールセールサービスは、特注の構成や強化されたセキュリティ対策を含むITインフラ全体の完全な制御を提供し、高性能、信頼性、スケーラビリティを必要とする重要な業務を持つ企業に最適です。その結果、このような要因が予測期間中に日本市場におけるこのセグメントの成長を後押ししています。

主要企業のリスト：

• Unitas Global
• Digital Realty
• Cyxtera Technologies Inc.
• KDDI Corporation
• NTT Communication Corporation
• Princeton Digital Group
• Equinix Inc.
• GLBB Japan Co., Ltd.
• Japan Exchange Group, Inc.
• AT Tokyo Corporation

セグメンテーションの概要

日本データセンターコロケーション市場は、タイプ、組織規模、エンドユーザー産業に焦点を当てて分類されています。

タイプ別

• リテールコロケーション
• ホールセールコロケーション

組織規模別

• 中小企業
• 大企業

エンドユーザー産業別

• 銀行、金融サービス、保険、
• 製造業
• ITおよび通信
• エネルギー
• ヘルスケア
• 政府機関
• 小売
• 教育
• エンターテイメントおよびメディア
• その他